インサイドセールスにおけるトークスクリプト作成のメリット

2023年10月26日
従来の対面での訪問営業と違い、非対面での営業となるインサイドセールスを導入し、営業の効率化を目指す企業は多いのではないでしょうか。そのインサイドセールスの成果をより高める方法として有効なのが、トークスクリプトの作成です。

トークスクリプト作成には、さまざまなメリットがあるため効果的に活用することで営業活動の成果の向上が期待できます。この記事では、インサイドセールスにおけるトークスクリプト作成のメリットや注意点、トークスクリプトの作成手順について解説しています。

インサイドセールスのトークスクリプトとは

新しい営業手法として導入する企業が増加していますが、営業に不慣れであった場合、インサイドセールスについてよく理解できていないという方が多いでしょう。まずはインサイドセールスとトークスクリプトとはどういうものなのか解説していきます。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、コロナ禍以降に注目された、非対面での営業手法です。主な役割は、電話やメールなどのコミュニケーションツールを用いて顧客や見込み顧客にアプローチし、商談機会を創出することです。

この内勤営業が注目された理由は、営業の効率化につながる点や、移動によるコストや時間のロスがないことにあります。インサイドセールスを導入し営業の効率化を図り、商談数を増加させた企業は多くあります。

トークスクリプトとは

トークスクリプトとは、いわば営業のマニュアルや台本となるものです。電話営業や問い合わせ対応に使われることが多くなっていますが、インサイドセールスにおけるトークスクリプトの役割は、見込み顧客との関係を構築することを目的としています。

さらにLancersが発表した、2022年にフリーランスが必要とされたランキングでは、営業の発注数は前年比127%と増加しています。営業の増加は、資料作成やトークスクリプトの作成を依頼する企業が増えたことにあります。

参照:フリーランスが「2022年必要とされたスキルランキング」を公開

テレアポのトークスクリプトとの違い

インサイドセールスもテレアポも、商談を創出するという目的は同じですが、テレアポでは、電話をかけてとにかくアポを取るということを優先しています。一方で、インサイドセールスは見込み顧客へのアプローチを目的としています。さらにインサイドセールスのトークスクリプトでは、お客様一人一人にあった適切なコミュニケーションを想定して構成していることです。

インサイドセールスのトークスクリプト作成のメリット

インサイドセールスとトークスクリプトについて解説してきましたが、インサイドセールスのトークスクリプト作成のメリットはなんでしょうか。以下でトークスクリプト作成の5つのメリットを解説していきます。

メリット①営業品質の安定化

メリット1つ目は、営業品質の安定化です。営業トークは個人のスキルに任されることが多く、属人的になりやすいものでした。そのため改善しようとしても、直すべきところがわからないことがあります。ですが、実績のある営業パーソンの会話を元に、どのような流れで成果を上げているのかをパターン化することで解決し、その結果、営業の品質の安定化につながります。

メリット②トラブル防止

メリット2つ目は、トラブル防止になることです。トークスクリプトは営業の台本の役割があります。台本がなければ、個人の考えや知識で話を進めることになり、トーク内容にズレが生じることでトラブルを招いてしまいます。しかし、トークスクリプトがあれば、統一した知識と正しい情報を元にアプローチすることが可能です。誰に聞いても同じ内容が返ってくることで、顧客の安心感につながります。

メリット③新人研修につながる

メリット3つ目は、新人研修につながることです。新人の営業担当者はトークスキルを持ち合わせていないと、営業を難しく感じてしまう場合があるでしょう。ですが、営業の基準となるトークスクリプトを用いて、練習、実践を繰り返すことで、早くから成果を得られるようになります。個人のトークスキルに任せるのではなく、しっかりとしたトークスクリプトを活用することでモチベーションにもつながります。

メリット④営業トークを見直せる

メリット4つ目は、営業トークを見直せることです。トークスクリプトで営業トークの構成を作成することで、話の構成を客観的に見ることができ、精度を上げるための改善点が明確になります。会話の中で違和感のある部分はどこなのか把握をすることで改善点を明確にし、トークスクリプトの改善を行うことで営業パフォーマンスの向上につながります。

メリット⑤営業経験が少なくても自信を持てる

メリット5つ目は、営業経験が少なくても自信を持てることです。2021年6月に営業職をしている人を対象にした退職動機に関する調査では、営業をしていて辞めたくなった理由の29.4%がモチベーション維持、22.2%が営業が苦手という結果になっています。

参照:「営業 辞めたい、つらい。」6割弱の営業が現在、退職を検討しているという結果に。会社を支える営業職の退職動機に関するアンケート結果発表

ですが、トークスクリプトがあれば、一定レベルの営業トークが可能になるため、営業経験が少なくても自信を持って商談に臨めます。多くの担当者がレベルの高い営業トークを実行できることで、アポ獲得率の向上につながります。

インサイドセールスのトークスクリプト作成時の注意点

インサイドセールスでトークスクリプトを作成することでさまざまなメリットがあることがわかりましたが、作成する前に注意して欲しい点があります。ここでは、トークスクリプト作成時の注意点を2つ解説していきます。

注意点①顧客を惹きつける内容になっているか

注意点1つ目は、顧客を惹きつける内容になっているかです。トークスクリプトは、営業成績を向上させるために必要な台本の役割があります。会話が続き、かつ商品やサービスの魅力を伝えることができるトークスクリプトを作成することが必要です。

注意点②話の流れに対応できるか

注意点2つ目は、話の流れに対応できるかです。トークスクリプトは目的の実現のために必要不可欠ですが、顧客との会話が途切れないように工夫する必要があります。さらに会話がそれても落ち着いて対応ができるように複数のパターンを準備することも大切です。

インサイドセールスのトークスクリプト作成時のポイント

インサイドセールスのトークスクリプト作成時の注意点を確認しましたが、トークスクリプトの作成手順を解説する前に、まずは、トークスクリプト作成時のポイントを3つ解説していきます。より精度の高いトークスクリプトを作成するためにしっかり確認しておきましょう。

ポイント①細分化しすぎない

ポイント1つ目は、細分化しすぎないことです。先ほど、複数のパターンを準備することで落ち着いて対応ができるとお伝えしましたが、対応すべき状況が増えれば作成に負担がかかってしまいます。また、切り返し分を細かく設定したことで、担当者が台本に忠実になりすぎて、硬くなってしまうこともあります。このことを防ぐためにもある程度トークの幅に余裕を持たせることが重要です。

ポイント②トップセールスの意見を取り入れる

ポイント2つ目は、トップセールスの意見を取り入れることです。トップセールスの営業スキルは、参考にできる部分が多くあるため、トークスクリプト作成時に大きな手助けになります。またトップセールスの意見を取り入れたトークスクリプトは、営業の品質を向上させることができます。

ポイント③ロールプレイングを実施

ポイント3つ目は、ロールプレイングを実施することです。トークスクリプトが完成して終わりというわけでなく、ロールプレイングを実施して、イレギュラーな質問にもスムーズに回答できるか実践することが重要です。

さらに、ロールプレイングを実施することで、トーク役が言葉に引っかかる部分があったり、顧客役が違和感を感じたり不快に感じてしまう部分があった場合は、トークスクリプトの改善を行い磨きをかけることが大切です。

インサイドセールスのトークスクリプトの作成手順

トークスクリプト作成時のポイントを3つ解説したので早速トークスクリプトを作成していきましょう。以下でトークスクリプトの作成手順を4つにわけて解説していますので、こちらを参考にトークスクリプトを実際に作成してみてください。

STEP①ターゲットを明確にする

まずSTEP1では、ターゲットを明確にしましょう。実際に作り始める前の段階で、どこにアプローチするのか、会話する相手によって話し方や内容も変わるためターゲットを明確にすることが重要です。自社の業界や商材の特性から、ターゲットとなる人物の年齢や役職、職種などを想定することでトークスクリプトの内容も明確になり精度も上がるでしょう。

STEP②目的やヒアリング内容を明確にする

STEP2では、目的やヒアリング内容を明確にしましょう。ターゲットを明確にしたらまずはトークの目的を決め、活動結果となるゴールを明確にします。ゴールを設定することで話が大幅に外れないようになります。

その上でヒアリング内容を設定していきます。ヒアリング内容を明確にすることで、どの段階で何をヒアリングするべきなのか流れがわかるようになります。また内容を事前に決めておくことで、トークが噛み合わない問題を防ぐことができます。

STEP③トークのシナリオを作る

STEP3では、トークのシナリオを作りましょう。会話に必要な3要素は、何を伝えて、何を聞いて、どこにゴールをもっていくかということです。この3要素をトークスクリプトに反映することで、ヒアリング漏れを防ぐことができます。また会話は一方通行ではないため、分岐点は必ず存在します。相手が興味を示さない場合、興味がある場合など分割して構成していく必要があります。

STEP④トーク内容を入れ込む

STEP4では、トーク内容を入れ込んでいきましょう。トークのシナリオができたら、内容を事細かに考え、具体的な内容を入れ込んでいきます。その際注意したいのは、口語体で作成することです。箇条書きやキーワードだけで書かれたトークスクリプトでは、担当者が意図を把握できず、重要な内容を飛ばしてしまったり、言葉に詰まることがあります。そのため口語体でシナリオを作成しておくことが大切です。

インサイドセールスのトークスクリプトを効果的に利用するには

インサイドセールスのトークスクリプト作成の手順を解説しましたが、試行錯誤して作ったトークスクリプトを、より効果的に利用したいと考えているはずです。トークスクリプトを作成後、実践する前に一度、効果的に利用するためのポイントを4つ解説していきます。

ポイント①話し方に注意する

ポイント1つ目は、話し方に注意することです。緊張から早口になったり、声が低くなってしまっては相手に良い印象を与えることができません。さらに非対面での営業では、対面での営業よりも信頼を得にくいというデメリットもあります。そのため、顧客との関係を構築するためにも、感情を込めて明るくゆっくり話すことで、相手にポジティブな印象をもってもらう必要があります。

ポイント②フィードバックをもらう

ポイント2つ目は、フィードバックをもらうことです。見込み顧客を受け渡すフィールドセールスからトークスクリプトについてフィードバックをもらうことで改善点が見つかりやすくなります。そのため、良くないところから優先的に改善できます。

インサイドセールス側でしっかりヒアリングしたつもりでも、情報を拾えていなかったり、伝わっていない場合は多いです。そのためフィールドセールスのフィードバックは重要で、その内容を反映すると精度の高いトークスクリプトになります。

ポイント③データを分析する

ポイント3つ目は、データを分析することです。作成したトークスクリプトを効果が出ないからとすぐに見直してしまうことはおすすめしません。一定期間は同じトークスクリプトを活用し、データを蓄積させることで、良い台本が完成します。

ポイント④データやフィードバックを元にトークスクリプトを改善

ポイント4つ目は、データやフィードバックを元にトークスクリプトを改善することです。トークスクリプトは作って終わりではなく、データやフィードバックを元に、適宜見直しと改善を行い精度を上げていくことが重要です。

まとめ

インサイドセールストークスクリプトは、営業の品質を安定化させ、自信を持ってトークできるようになるために必要です。また新人教育にもつながり、営業経験が浅くても自信を持ってトークができるようになります。ですが、トークスクリプト作成時には注意点や作成時のポイントの確認も必要です。トークスクリプトを効果的に利用するためにもしっかりとポイントを抑えた上で活用していきましょう。

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