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営業フレームワークMEDDICとは?BANTとの違いと活用法について詳しく解説!

2025.5.22
営業現場で成果が上がらない原因は、個々のスキルではなく、評価や進行管理の基準が曖昧なことにあるかもしれません。そんな中で注目を集めているのが、BtoB営業に特化した「MEDDIC」という営業フレームワークです。

本記事では、MEDDICの基本構成や、従来からあるBANTとの違い、実務でどう活用できるのかを詳しく解説します。営業活動を仕組み化し、成約率を高めるためのヒントをお届けします。
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MEDDICとは?

MEDDICとは、営業プロセスの質と成果を高めるために開発された営業フレームワークで、複雑なBtoB営業において特に効果を発揮します。特に営業の成功率や精度に課題を感じている現場にとって、MEDDICは強力な指針となるでしょう。

フレームワークの名前は、「Metrics(定量的成果)」「Economic Buyer(経済的意思決定者)」「Decision Criteria(意思決定基準)」「Decision Process(意思決定プロセス)」「Identify Pain(課題の特定)」「Champion(推進者)」の頭文字を取ったものです。

この6つの要素を体系的に整理・活用することで、営業パーソンが見込み顧客の購買プロセスを深く理解し、的確なアプローチを行えるようになります。単なるテクニックではなく、顧客との信頼関係を構築しながら成約率を高めていくための実践的な枠組みとして、多くの企業で導入が進んでいます。

​BANTとの違い

BANTとMEDDICはいずれも営業フレームワークとして知られていますが、その目的やアプローチには明確な違いがあります。BANTは「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Time frame(導入時期)」の4つの要素を基準に、案件の見込み度を早期に判断するためのシンプルなモデルです。

一方、MEDDICは案件の詳細な分析や関係構築を重視し、より戦略的な営業活動を支援します。特にMEDDICは、複雑で高額なBtoB取引で活用されることが多く、意思決定プロセスの深掘りや、推進者との関係性構築に重点を置いています。

そのため、BANTがシンプルな購買プロセスに適しているのに対し、MEDDICは購買プロセスが複雑な企業に適している点が大きな違いです。

​MEDDICを活用するメリット

営業活動において、ただ案件をこなすだけでは成果が上がりにくい時代になっています。そこで注目されているのが、営業フレームワーク「MEDDIC」の活用です。このフレームワークは、単なるチェックリストではなく、営業の質を高めるための実践的な仕組みです。

より正確な販売予測を立てられる

MEDDICフレームワークを活用することで、各案件の状況を客観的に評価でき、販売予測の精度が向上します。特に「Metrics(測定指標)」や「Decision Process(意思決定プロセス)」といった要素が、顧客の購入可能性を数値的・プロセス的に捉えるのに役立ちます。

結果として、曖昧な感覚に頼ることなく、データに基づいた現実的な予測が可能となり、経営判断の質も高まるでしょう。

各案件の進捗状況を管理しやすい

MEDDICを導入することで、営業パイプライン内の各案件に対する理解が深まり、進捗状況を明確に把握できるようになります。

たとえば、「Champion(推進者)」が確立されているか、「Identify Pain(課題)」が完了しているかなど、進行度を可視化するチェックポイントとして各要素が機能します。これにより、ボトルネックの早期発見と対策が可能です。

顧客ニーズに沿った提案がしやすくなる

MEDDICの「Identify Pain」は、顧客の課題を深く掘り下げることに焦点を当てています。このステップを丁寧に行うことで、表面的なニーズではなく、根本的な課題に即した提案が可能です。その結果、顧客の信頼を得やすくなり、競合との差別化にもつながるでしょう。提案の質が上がることで、受注確度の向上も期待できます。

営業活動の効率化につながる

フレームワークに沿って営業プロセスを構築することで、業務の無駄を減らし、効率的に行動できます。たとえば、「Economic Buyer」が誰かを早期に特定できれば、無意味な提案の手戻りを防ぐことができます。また、各ステップで達成すべき目標が明確になるため、優先順位を判断しやすくなり、効果的なリソース配分が可能になります。

チーム内での情報共有や戦略立案がスムーズになる

MEDDICは営業情報を統一的な視点で整理できるため、チーム内での案件共有がとてもスムーズになります。各営業担当者が同じフレームで情報を記録・共有することで、進捗状況や課題が一目で把握でき、戦略的な施策を検討しやすくなります。

特にマネージャー層にとっては、全体の営業状況を把握しやすくなり、効果的なチームマネジメントにつながるでしょう。

​MEDDICを構成する6つの要素と活用法

MEDDICは、営業フレームワークの中でも特に戦略的なアプローチが求められるBtoBセールスにおいて、高い効果を発揮するモデルです。その中核を成すのが、6つの要素で構成されたプロセスです。それぞれの要素を正しく理解し、営業現場に落とし込むことで、案件の質と受注確度を飛躍的に高めることができます。

1.Metrics(測定指標)

Metricsとは、顧客が求める成果や目標数値を明確にする要素です。営業担当者は、顧客が抱える課題を数値で把握し、それをどの程度改善できるかを示す必要があります。たとえば「コストを15%削減」「作業時間を週10時間短縮」など、具体的な数字で期待される効果を伝えることで、提案の説得力が格段に向上するでしょう。

数値化することで比較や判断がしやすくなり、商談を前進させる要素にもなります。顧客のKPIと結びつけることが、成功への第一歩です。

2.Economic Buyer(決裁権者)

Economic Buyerは、商談の最終判断と予算承認を行うキーマンです。この人物を見極めずに営業を進めてしまうと、せっかくの提案が社内で止まる可能性があります。営業ではこの決裁者の立場や優先事項をしっかり理解し、それに合わせたアプローチを行うことが大切です。

直接会話の機会を持つことができれば、意思決定に関わるポイントを把握でき、成約への道筋が明確になります。的確な情報収集と関係構築が成否を分けるポイントです。

3.Decision Criteria(意思決定基準)

顧客が製品やサービスを比較・選定する際には、いくつかの基準に基づいて判断します。価格、機能、サポート体制、導入実績などがよくある例です。営業担当者は、顧客が重視する評価項目を事前にヒアリングし、自社の提供価値がその基準とどう合致しているかを明確に伝える必要があります。

この情報があいまいだと、競合に差をつけることができません。意思決定基準の把握は、的確な提案を行ううえで不可欠なプロセスです。

4.Decision Process(意思決定プロセス)

営業活動を円滑に進めるには、顧客の社内でどのように意思決定がなされるかを把握する必要があります。どの部署が関与し、稟議フローや承認までにかかる時間はどのくらいかなど、プロセスの全体像を理解することで、提案のタイミングや交渉の進め方を調整できます。

関係者全体を俯瞰することで、見落としやすい障壁を事前に排除することができ、商談のスピードと確実性が増します。プロセスを制す者が営業を制します。

5.Identify Pain(課題)

Identify Painは、顧客が抱えている根本的な課題や悩みを特定するための要素です。表面的なニーズではなく、本質的な“悩み”を見抜くことが、価値ある提案への第一歩です。ヒアリングを通して、顧客が気づいていない課題まで掘り下げることができれば、他社との差別化が明確になります。

具体的な問題を提示し、その解決策として自社のサービスを提示することで、信頼を得やすくなり、提案の受け入れやすさも大きく向上します。

6.Champion(擁護者)

Championは、顧客企業内で提案を推進してくれる味方です。社内の影響力を持ち、営業側の提案が通りやすくなるよう支援してくれる存在でもあります。この人物と信頼関係を築くことができれば、社内事情やキーパーソンの考えなど、貴重なインサイトを得られることもあります。

提案の通り道をつくる大切な役割を担うため、Championの存在は特に複雑な商談や大口案件で成約のポイントを握ります。戦略的に関係構築を図ることが成功への近道です。

MEDDIC活用時の注意点

MEDDICはとても強力な営業フレームワークですが、導入すれば自動的に成果が上がるわけではありません。効果を最大化するためには、正しい理解と運用が不可欠です。むしろ、使い方を誤ると、逆に非効率な営業活動になるリスクもあります。

高い営業スキルが求められる

MEDDICを活用するには、単にフレームワークを知っているだけでなく、それを適切に使いこなす営業スキルが必要です。たとえば、顧客の課題を深掘りするには、質問力や傾聴力が欠かせません。

また、意思決定プロセスや評価基準を正確に把握するには、会話の中で相手の本音を引き出す力も求められます。つまり、MEDDICは営業スキルの“質”が問われるフレームワークです。

顧客との信頼構築を軽視しない

フレームワークに頼りすぎると、営業活動が形式的になり、顧客との関係性が希薄になる恐れがあります。特に「Champion」や「Economic Buyer」との関係は、信頼が前提となるため、ヒアリングや提案の一つひとつに誠実さと共感が求められます。

MEDDICの要素をチェックリストのように扱うのではなく、信頼構築のための対話ツールとして活用する意識が大切です。

活用後の成果の分析と改善を忘れずにする

MEDDICを取り入れて営業を進めた後は、必ず成果を振り返ることが大切です。どの要素が機能していたのか、どこに課題があったのかを検証することで、次の営業活動の質が高まります。

たとえば、Metricsが曖昧だったことで提案のインパクトが弱かった、Championの影響力が足りなかった、などの具体的な反省点をもとに改善していくことで、フレームワークの効果が継続的に高まっていきます。

​MEDDICに関連するフレームワーク

MEDDICは多くの営業現場で成果を上げてきたフレームワークですが、その進化版ともいえる関連フレームワークも存在します。これらは、MEDDICの基本構造にさらなる要素を追加し、より実践的かつ柔軟な営業活動が可能です。自社の営業プロセスに応じて、適切なフレームを選ぶ参考にしてください。

MEDDICC

MEDDICCは、従来のMEDDICに「Competition(競合)」の要素を追加したフレームワークです。営業活動において競合分析は極めて大切であり、見込み客が他社と比較検討している場合、競合優位性をどう伝えるかが成約に直結します。

この要素を明確に加えることで、競争環境では自社の立ち位置や訴求ポイントを的確に整理でき、より戦略的な提案が可能になります。

MEDDPICC

MEDDPICCは、MEDDICCにさらに「Paper Process(契約プロセス)」を追加した形です。この要素は、契約書の作成から締結までに必要な社内外のプロセスを把握し、想定外の遅延を防ぐためです。

特に大企業との取引や高額商材の導入時には、法務・経理・購買など複数部門が関わるため、書類の流れを事前に理解しておくことで、スムーズなクロージングが可能になります。

まとめ

MEDDICは、営業活動を論理的かつ体系的に進めるための効果的なフレームワークであり、特に高額商材や複雑な商談では強力な武器になります。BANTのような簡易な評価モデルとは異なり、意思決定プロセスや課題の深掘りに重点を置くため、より質の高い提案と信頼関係の構築が可能です。

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