マーケティングにおけるPMFの重要性とは?既存顧客へのアプローチがポイント

2022年12月19日

市場へリリースしている自社商品は、本当に受け入れられているんだろうか?そのような疑問を探る指標がPMF(プロダクトマーケットフィット)です。
PMFは、サービスや商品が特定の市場で適合している状態を指します。商品やサービスをリリースする時は、PMFの状態まで磨き上げる必要があります。
記事内では、PMFについての説明と、達成までの流れなど詳細を紹介しています。
よりよい商品やサービスを市場へ送り出したいと考える人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?

PMF(プロダクトマーケットフィット)とは、サービスや商品が、ある市場の中で適合している状態を指します。より良いサービスや商品を市場へ投入できているか、また、ユーザーへ受け入れられているか、などを測る指標です。
PMFを達成するには、ユーザーにマッチするピンポイントな商品やサービスの提供と同時に、適切な市場を選択できているか、という点も重要です。適切な市場が選択されていないと、商品やサービスをベストマッチさせることは難しいでしょう。
創業間もない時期の飛躍狙うスタートアップ企業にとって、PMFは重要な指標とされています。

PMFの重要性

今後のビジネス展開においてPMFは重要項目とされています。近年のマーケットを理解する上の基本的な考え方となる3つのポイントを紹介します。

  1. 選択肢の多さによる趣味嗜好の多様化
  2. 既存顧客へのPMFが飛躍のカギ
  3. 変わり続けるニーズへ対応する継続性

選択肢の多さによる趣味嗜好の多様化

近年では選択肢や価値観の多様化によって、さまざまな趣味嗜好が認められるようになりました。以前のような、大量生産された画一的な製品をテレビCMで宣伝し、品質さえよければ多くの人が買う、という時代ではありません。
継続的に使い続けてもらうために、顧客一人一人のニーズにきめ細かく対応し、必要な時に声を掛けてもらえるよう、丁寧なアフターフォローが必要です。

既存顧客へのPMFが飛躍のカギ

国内の人口減少による購買層の変化は、今後のビジネスにも影響をもたらします。新規顧客を中心に販売を展開していると、早晩、売上は頭打ちになるでしょう。
自社のファンを増やし続け、商品やサービスを使い続けてくれる顧客へのフォローが重要です。
顧客満足度を維持し続けるためには、PMFを達成し続ける必要があります。常にユーザー目線に立ち、既存顧客を中心によりフィットするものを提供し続けなければいけません。

変わり続けるニーズへ対応する継続性

PMFは既存顧客と新規顧客へ向けて、絶えず発信し続ける必要があります。変わり続けるトレンドと、市場の動きを正確に捉え、時代背景にマッチした商品やサービスを提供し続けなければいけません。
常にマーケティングを行い、顧客からのフィードバックを参考にしつつ、PMFを意識した商品やサービスを提供し続けましょう。

PMFの達成を見極めるポイント

PMFの達成状況を測る時に用いられる指標は以下のとおりです。それぞれの項目について、詳細を説明します。

  1. リテンションカーブ
  2. Product/Market Fit Survey
  3. NPS

リテンションカーブ

リテンションとは、維持や保持などの意味合いで使われる言葉です。マーケティングの分野では、提供している商品やサービスが、どの程度ユーザーに継続的に使われているかを表す指標として用いられます。
リテンションカーブは、リテンション率を縦軸とし、製品のリリースからの期間軸を横軸にしたグラフに表されます。一定のユーザーが継続的に利用している場合、グラフは横ばいします。
一方で途中で利用を中止する離脱ユーザーが多い場合は、時間を追うごとにグラフが右肩下がりに下降線を描きます。

Product/Market Fit Survey

PMFを定量的に把握するために考案された調査法で、起業家のショーン・エリス氏によって考案されました。
具体的な調査方法は、ユーザーへ「もしも、その製品が使えなくなったらどう思いますか?」という質問を行い、「非常に残念」「やや残念」「残念ではない」「該当しない(製品を使用していない)」の4つの選択肢から回答を選んでもらいます。
質問に対して、調査対象の40%以上が非常に残念と回答した場合、その製品は継続的にユーザーを獲得できると判断し、PMFを達成している可能性があると考えます。

NPS

NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の頭文字を取った言葉で、ユーザーの商品やサービスに対する愛着(ロイヤリティ)を計測するための指標です。顧客満足度と似ているようですが、主な相違点は業績との関わりです。NPSの方が指標が業績に反映されやすい傾向があります。

NPSの調査方法は、まずユーザーに「その企業および製品を友人や同僚に薦める可能性はどの程度ありますか?」というアンケートを行い、0~10の11段階で回答してもらいます。
回答の集計結果を「0~6批判者」「7~8中立者」「9~10推奨者」と設定し、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いたものがNPSのスコアです。
NTTコムオンラインでは、NPS業界別ランキング&アワーと題して、毎年業界別のNPSランキングをまとめています。業界別NPSベンチマークレポートも掲載されていますので、興味のある人はご確認ください。

参考:NTTコムオンライン NPS業界別ランキング&アワー

PMF達成までの流れ

PMFを達成するための一般的な流れは以下の通りです。項目ごとに詳細を説明します。

  1. プロトタイプや試供品をつくる
  2. テスト商品を市場に投入し反響を確認する
  3. ユーザーからのフィードバックを収集、分析
  4. 改善を繰り返し商品化へ

プロトタイプや試供品をつくる

まずは、必要最小限の機能備えた製品のプロトタイプや試供品を制作します。制作にあたっては、機能の中に顧客へ確かな価値提案を届けることができる要素を盛り込んでおきましょう。
少なくとも他社との明確な差別化が分かる、メリットを感じられる機能は備えておきたいところです。

テスト商品を市場に投入し反響を確認する

制作したテスト商品を市場へ投入し、実際にユーザーに使ってもらいます。市場に投入した後は、ユーザーからのフィードバックを収集し、製品の改善を行います。

ユーザーからのフィードバックを収集、分析

ユーザーからのフィードバックを集める方法は、WEB分析ツールやアンケートなどがありますが、可能であれば直接の対話を通じて生の声を集めたいところです。

WEB解析ツールでは、数字にできない微妙なニュアンスの声を拾うことが難しく、アンケートでは誘導尋問のような設問を考えてしまいがちです。
インタビューの場を設けるか、アンテナショップのような出先機関にてユーザーとの対話を行い、生の声を拾い上げると良いでしょう。SNSを使ったフィードバックの獲得も有効です。
ユーザーからの生の声によるフィードバックは、結果としてより良い製品を作り出すことに貢献します。

改善を繰り返し商品化へ

定量、定性分析にて評価を検証した結果、PMFを達成できていないと判断した場合は、PMFを達成できるようあらためて改善を行います。
2回目以降の製品の市場投入の手順は1回目と同じです。2回目では1回目で得られたフィードバックとの相違点や改善ポイントをしっかり把握しておきましょう。
数値的な改善が見られないと、進歩していない、ということになります。

まとめ

顧客満足度アップと継続利用に欠かせないPMF

ユーザーへ適切な商品を提供し、顧客満足度を獲得するPMFは、持続的な企業運営には欠かせません。売上を伸ばし続けるには、既存顧客となった後もユーザーの趣味嗜好やトレンドを把握し、適切な商品を提供し続ける姿勢が重要です。

客観的な視点をもって市場を分析し、より求められる製品を投入できるよう、トレンドやターゲット層の趣味嗜好を正しく補足できるマーケティングも欠かさず取り組んでおく必要があります。

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