Cookie規制による、ゼロパーティーデータの重要性について

2022年6月9日
「最近Cookie規制という言葉をよく聞くけど、Cookieが取得できないと、WEBマーケティングの今後はどうなるんだろう?」

このような疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。グーグルアドセンスを始めとするインターネット広告は、ユーザーのCookie情報をもとにユーザーに最適と思われる広告を作成しています。

ところが近年、大手プラットフォーマー各社がCookie規制を強化し、プライバシーの保護にシフトチェンジしようとしています。したがって、今までと同じ手法でデジタルマーケティングを行うことができなくなりつつあるのです。

当記事では、Cookie規制とゼロパーティデータの重要性について、解説しています。

今後のWEBマーケティングの行方が気になる方は、ぜひ記事内容をご確認ください。

 

近年のCookie規制の流れ

近年Cookie規制の流れが進み、WEBサイトの閲覧時にサイトの運営側からCookie取得の有無が聞かれるようになりました。Cookie情報を提供しないと、ポップアップが邪魔になって完全にWEBサイトが閲覧できません。

プライバシーの観点から進むCookie規制について、解説します。

Cookieとは

Cookieという用語は聞いたことあるし、意味もなんとなくわかっている、という方も多くいらっしゃると思いますが、あらためてCookieという用語の意味をおさらいしておきましょう。

Cookieとは、閲覧しているWEBサイトから、自分のスマホやWEBブラウザに保存される情報のことです。サイトの訪問日時や、回数、いろいろな情報がCookieとして記録されます。

Cookie情報によるWEBサイト利便性向上の実例は以下の通りです。

  1. ログイン状態の保持
  2. ECサイトのショッピングカート内情報の保持

キャッシュとCookieは混同しやすい用語ですが、キャッシュはベージ情報の記憶にとどまり、Cookieはより詳細な情報を記憶します。

Cookie規制の背景

WEBマーケティング活動を行う上で、とても重要なCookieですが、近年では、プライバシー保護の観点から規制の動きが進みつつあります。

主な原因はサードパーティによるCookieの利用です。

ユーザーがWEBサイトを離れたあとの行動を追跡するサードパーティCookieは、個人のプライバシー侵害にあたるという見方が一般的になりつつあるのです。

現在法規制は世界規模で進んでおり、具体的な内容は、EUのGDPRやePrivacy Regulation、米国・カリフォルニア州で施行されたCCPAなどがあります。

Cookie規制がデジタルマーケティングにあたえる影響

Cookie規制は、デジタルマーケティングにも大きな影響を与えます。

今後影響を受ける可能性が高い、リターゲティング広告とそれに伴うコンバージョン数について解説します。

リターゲティング広告

サードパーティCookieを活用したWEB広告はリターゲティング広告です。リターゲティング広告とは、一度サイトへ訪問したユーザーに対して、再度訪問、または商品を購入してもらうよう、関連するWEB広告を配信する仕組みです。

「特定の商品を検索したら、WEB広告が関連商品で埋め尽くされる」などがリターゲティング広告の具体例として挙げられます。

リターゲティング広告は、各媒体で用意しているトラッキングコードをHTMLやリンクなどを使ってサイトへ配置することでCookieを送信する仕組みです。

リターゲティング広告はコンバージョン数が見込みやすく、効果が得やすいため、広く利用されています。

Apple社が提供するブラウザのSafariでは、すでにサードパーティCookieが利用できなくなっています。

コンバージョン数の正確な把握ができない

グーグルアナリティクスなど、効果計測ツールは、ユーザーの行動や、属性、嗜好などを細かく記録し、マーケティングの分析に欠かせない重要なツールですが、サードパーティCookieや規制の対象となるファーストパーティCookieを使っていると正しい成果が計測できなくなります。

コンバージョンに至るまでの導線が不明となるため、正確なコンバージョン数が把握できず、マーケティング上の重大な問題となります。

現状、グーグルアナリティクスの属性情報は、Cookie規制によって正確な情報取得ができていません。

Cookie規制の流れが進むと、WEBマーケティングそのものの手法を考え直す必要が出てくるでしょう。

ゼロパーティデータとは

Cookie規制が進む中で注目されているゼロパーティデータや、関連するファーストパーティデータや、サードパーティデータについて解説します。

同意を得て利用できる情報

ゼロパーティデータとは、ユーザーの意思によって提供されたCookie情報のことを指します。

何かの情報やサービスを受けるにあたって、必要情報として自分のデータを運営元と共有することを指します。

運営先との信頼関係のもとにCookie情報を提供する点が特徴です。

ユーザーとのリレーションシップをしっかりと構築し、有益な個人情報を共有できるゼロパーティデータの重要性は、今後のWEBマーケティングにおいて重要なポイントとなります。

WEBサイトやセミナーで取得するファーストパーティデータ

ファーストパーティデータは、自社のWEBサイトやセミナーなどで自動的に収集されるデータのことを指します。

ユーザーの意思でサイトやセミナーへ訪問しているため、了解のもと情報を共有していることになりますが、ゼロパーティデータのような信頼関係はありません。

今後Cookie規制が進むにつれて、情報収集は最低でもファーストパーティデータをクリアする必要があります。

情報を買い取るサードパーティデータ

サードパーティデータとは、ユーザーと運営先や企業などの関係者以外の第三者によって取得された情報のことを指します。

サードパーティデータは基本的に買取によって収集され、新たな情報を構築し、WEBサイトの運営者や企業へ販売されます。

本人の知らないところで、WEB上でのさまざまな行動履歴や、趣味嗜好などが広く知れ渡ります。

ゼロパーティデータの取得とリレーションシップの構築

Cookie規制により、今後は広く浅いリーチ方法ではなく、自社のサービスでユーザーを巻き込みつつ、驚きの体験や感動などを提供できる付加価値を持ったサービスの提供が重要なポイントとなります。

ゼロパーティデータの取得に向けた戦略を改めて確認しておきましょう。

WEBサイトやSNSの活用

Cookie規制の状況下ではWEBサイトの拡充や、SNSを使った発信がこれまで以上に重要になります。インターネットを使ったさまざまな発信は、最終的に自社のWEBサイトかリアル店舗に集約されることが望ましいです。

WEB サイト経由でユーザーのゼロパーティデータを取得し、メールマーケティングやカスタマージャーニー、リードナーチャリングへ繋げます。

セミナーでのリレーション構築

業態ににもよりますが、WEBを使ったセミナーや、新商品の発表会をうまく活用し、ユーザーとのリレーションシップを構築していきましょう。

近年のセミナーや商品発表会は、運営者からの一方通行な発信だけでなく、双方向のやり取りが可能となっています。

チャットを使ってうまくユーザーを巻き込みつつ、次のメールマーケティングや、リードナーチャリングへ繋げましょう。

カスタマージャーニーやリードナーチャリング戦略の見直し

近年のSNSやメールを使ったWEBマーケティングでは、おなじみのリードナーチャリングですが、Cookie規制以後はよりユーザーのファン化を進め、サービスの感動体験をより深く共有する必要があります。

個々のステージに応じたリードナーチャリングを行い、適切なカスタマージャーニーマップを作成し、ユーザーに満足してもらえるようなWEBマーケティングを構築しなければいけません。

自社のサービスの強みと欠点を改めて認識し、ユーザーのターゲティングや有効な施策など、根本的な戦略から見直してあらためて構築しましょう。

Cookie規制下のデジタルマーケティングはゼロパーティデータがポイント

Apple社が提供するブラウザのSafariではすでにサードパーティCookie情報の提供は廃止されており、グーグル社が提供するGoogle Chromeは2023年の後半にサードパーティCookie情報の提供を廃止するとしています。

従来からあったインターネット広告やWEBマーケティングの手法は、根本的な見直しが迫られる可能性があります。

安易に個人情報を触れなくなるにつれ、自社サービスのファンを多くつくるマーケティングがより重要となるでしょう。

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