MA(マーケティングオートメーション)とはなにか?概要やメリットの紹介

2021年9月28日

「マーケティングオートメーション」という言葉を聞く機会が最近では増えてきたのではないでしょうか。この記事では、定義などの基礎知識やなぜ注目されているのかについて解説します。

MAとは

MAが注目されている理由

MA(マーケティングオートメーション)とは、「マーケティングの自動化」を意味する言葉です。これまでは膨大な数のデータ入力や複雑な処理を人が作業することで行って来ました。MAを活用することで複雑な処理や作業を自動化し、効率よく作業に取り組むことが可能です。
また、これまで人手ではできなかった星の数ほどの顧客情報を取り扱うことや、ターゲットの行動履歴の可視化ができるようになります。

近年ではインターネットの急速な発展により、人々の趣向や行動の仕方も変化してきています。これまでは、製品の情報を詳しく知りたい場合には店舗に自ら足を運んだり、定期的に訪れる営業担当に相談するのが一般的でした。しかし、インターネットの普及で誰でも簡単に、自力でのリサーチや購入ができるようになっています。顧客がある程度情報を調べた上での問い合わせに対して、より角度の高い営業が必要になります。

主な活用法

MAの活用法として主に3つ紹介していきます。

1.見込み顧客の創出(リードジェネレーション)

リードジェネレーションとは顧客との接点を取得して、営業活動に活かす方法を言います。テレアポや飛び込み営業など、従来の日本で行われていたリードを獲得する手法もこれにあたります。MAを導入すると、WEB上でランディングページや登録フォームを作成することで、リード獲得から自動登録することが可能です。

2.見込み顧客の育成(リードナーチャリング)

獲得したリードが、全てそのまま商談につながるような角度が高いものではないでしょう。リードナーチャリングでは展示会での名刺交換やウェブ広告などで集めたリードに対して、継続的にコンタクトを取ります。コミュニケーションを取る手法としてはメールやDMがあり、見込み顧客の検討度が上がったタイミングを把握した上で商談につなげることができます。
リードナーチャリングは継続的にコンタクトをとることで、「休眠顧客への対策」や「購買プロセスの長期化」にも対応することができます。

3.見込み顧客の分類(リードスコアリング、リードクオリフィケーション)

リードジェネレーション→リードナーチャリングと顧客の獲得から育成をしたあとに行うのが、リードスコアリングやリードクオリフィケーションです。
これら2つは見込み顧客の行動や属性などに、決められた得点をつけることで可視化できるようにします。例えば、「メール返信(8点)」「見積もり依頼(10点)」「顧客が責任者(10点)」のようなスコアリング方法があります。そして、スコアが20点に達した時点で営業に引き継ぐといった具合で条件を設定します。

なぜ必要なのか

多くの企業がMAの必要性を考えていますが、どういった理由があるのでしょうか。

1.時代の変化による顧客の購買プロセスの変化

これまでの、店舗に直接足を運ぶ購買からインターネットを活用したリサーチから商品を購入するというサイクルができました。
以前の営業活動は顧客企業へ直接の訪問をして、担当者との関係を深めることで製品の導入を検討してもらう形が一般的でした。しかし、現在では担当者の業務も多忙になっており、直接の商談をすることを好まない場合もあります。そのため、メールやWEBを活用した効率的な方法での情報伝達が好まれます。
また、テレアポにおけるリスト獲得方法も、多くの企業が受付で「お断り」するようにマニュアルを作成するなど、商談につながる確率も下がって来ているような現状があります。

2.決裁プロセスの長期化

多くの企業では売上の拡大を目指すのと同時に、コスト削減に関する要求も大きくなっています。その中で、担当者がすぐに導入したい案件でも社内での検討期間が長引くことも頻繁に起こります。こうした顧客へ多くの時間を使うことになった場合、営業マンの新規商談に割く時間も減少します。そのため、MAを活用した効率のよい新規の商談創出が必要とされます。

3.名刺情報を活用した営業活動の効率化

これまで交換した名刺がそのまま机の中に溜まっていき、処分されるような状況はよくあることでしょう。最近では名刺情報を管理ツールに登録する動きも多く見られます。こうした名刺の中でも営業に十分に活かせるものは存在するため、MAツールに取り入れることで管理した情報の活用ができます。

導入のメリット

1.ヒューマンエラーや作業工数の削減

従来であれば莫大な数ある顧客情報を取り扱う中で、それぞれ違うステータスに対して、様々なアプローチが必要になります。そのなかで、人の手では必ずミスや抜けが発生してしまい大事なホット期間を見逃してしまうことはよくあります。MAの活用で人為的なミスやリードナーチャリング業務の工数を削減することに繋がるメリットがあるのです。

2.高度な分析が容易に行える

これまでさまざまな企業で、商談情報の管理をしているところは多くありました。しかし、多くの見込み顧客のリストを整理して、管理や分析はできていないところが多く、ましてや休眠顧客が目覚めることは難しいでしょう。ツールで顧客の状態を可視化することができたり、温度感を自動で知らせる機能があるMAの導入により、こうした機会損失を大幅に防ぐことにも繋がるのも理由の一つです。

3.質の高い商談の創出

手当り次第リストにある番号に電話をして営業活動を行う営業手法では、電話をする前に製品の必要性を把握することは難しく受注率も高くはなりません。
しかしMAツールを活用することで、見込み顧客のなかでも特にスコアが基準以上に達した段階でアプローチをすることができるので、受注率の向上は明確です。

4.営業スキルの属人化を防ぐ

できる営業マンは特に過去の成功体験を引っ張っていることも多く、新しいデータを用いた営業を活用しないことがよくあります。これでは、できる営業マンが抜けると「すっぽりと穴が空いた状況」になってしまうため、後々大変なことになってしまいます。
そこでデジタル化をすすめることで、営業活動や顧客の情報がデータベースとして蓄積されます。これにより、感覚営業から誰が行っても成果が出やすい科学的な営業がしやすくなります。

利用にあたり気をつけなければいけないこと

1.設計をおろそかにしない

ターゲット、ゴール設定はとても重要です。メールマーケティングやコンテンツマーケティングでは、ターゲットやゴールの設定は必須であり、特にゴールやKPIを施策ごとに設定することで、方向性のブレを防ぐことができます。

2.自社の課題を明確にする

自社の課題が本当にMAで解決できるのかを把握することは大切です。課題は常に意識して、運用時にも忘れないようにすることが大切です。

3.MA機能の理解、ツール選び

MAツールを導入する際には「同規模の企業が導入しているか」や「自社の従業員で取り扱うことができるレベルの機能なのか」を指標にするのがおすすめです。また、多くのリソースを割くことができない中小企業などでは「少人数でもうまく使いこなせるか」を考えるとよいでしょう。

4.担当者の確保

自社で0から取り組むことが難しい場合にはコンサルティング企業に任せる方法があります。しかし、依頼先に任せっきりでは「すぐにエラーなどの解決ができない」などの問題もあるので、自社に数人はWEBマーケティングの担当者を割り当てることが大切です。

まとめ

日本では最近、大企業を中心にようやくMAを取り入れている企業が増えてきていますが、ITやデジタルマーケティングが盛んなアメリカでは10年以上も前から取り入れられている手法でもあります。今後日本では中小企業でも、あたり前に使用されることが予想されます。自社の成約率アップについて効率のよい方法を模索しているのであれば、MAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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