CDPとは?MAとの違いも解説

2022年7月19日
昨今、デジタルトランスフォメーションやマーケティング、広告宣伝に携わっている方々で注目されているCDP。

会社の管理職から「自社でもCDP導入を検討してみなさい」と急に検討するよう指示を受けたり、「CDPが何者で自社にとってどんな良いことがあるか確認しなさい」と情報収集するよう指示を受けた人も多いと聞きます。

今回は、そんなCDPについてご紹介。CDPの概要や導入のメリット、CDPと同様に話題に挙がるMAとの違いについて説明します。

CDPとは?

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CDPとはカスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform)の略称。昨今のデジタルトランスフォーメーションへの関心の高まりを背景に、多くの企業で導入が進んでいる、注目のマーケティングソリューションです。

企業の利用目的は2つ。1つ目は自社の顧客理解や顧客向けマーケティング施策のレポーティング・分析、2つ目は自社の顧客向けマーケティング施策のセグメンテーション・抽出に利用します。

ここから詳しく解説していきます。

CDPの機能

CDPはデータマーケティングのためのデータ基盤です。企業はCDP上で、企業が持つ顧客ひとりひとりの属性データ及び行動データを1つに集約し分析。顧客を理解することでマーケティング戦略立案へのインサイトを得るのに利用します。また、既存顧客向けのEメールや広告施策の施策対象セグメントを抽出するのに利用したりします。

データ収集機能

CDPの大きな役割の1つ目が、データ収集機能です。顧客の年齢や居住地などの属性情報に加え、ウェブサイト上での行動履歴データなどの情報を集約します。いくつか具体的な例を挙げていきます。

  • 居住地・性別・年齢

主に顧客登録時に取得します。

  • 趣向

主にアンケートなどを用いて情報を取得します。

  • ウェブサイト閲覧履歴

顧客がウェブサイトに訪問した際に、CDPのウェブサイト行動履歴取得機能かウェブ分析ツールを活用して取得します。

  • アプリ閲覧履歴

顧客がアプリを利用した際に、CDPのアプリ行動履歴取得機能などを活用して取得します。

  • キャンペーン申し込み履歴

キャンペーン申し込みを管理するシステムから情報を収集します。

  • 店舗訪問履歴

顧客の店舗訪問を把握できる仕組み(アプリの会員バーコード読み取る仕組みなど)を用いて情報を収集します。

  • 問い合わせ・資料請求・サポート履歴

顧客が能動的に企業に対して問い合わせをした履歴などを、管理システムから取得します。

連携の手法はCDPごとに複数用意されています。連携させたいデータ・システムに応じて連携手法を選んでデータを連携、CDPに格納します。

CDPに格納したデータは顧客識別子(ID)に紐づけて顧客を一意に捉えられるように管理します。顧客を一意に捉えて顧客に関連する情報をリッチにさせることで、顧客像の解像度を上げていきます。

データ分析・抽出機能

CDPの大きな役割の2つ目が、データ分析・抽出機能です。これは、先述のCDPで統合したデータを用いて分析します。

顧客識別子(ID)を基に属性情報と行動履歴情報を紐づけて分析に活用すれば、特定の商品に興味がある顧客の傾向を分析したり、特定の商品を購入しそうな潜在顧客層を抽出してマーケティングコミュニケーションの対象にしたりすることができます。いくつか具体的な分析・抽出例を挙げていきます。

分析例

  • 購入者分析

特定の商品を購入した顧客像を分析。年代や趣味嗜好などの情報や、特定の行動特性があるかなどを把握します。

  • ウェブ行動分析

特定の商品のウェブページに訪問した興味関心者を分析。年代や趣味嗜好などの情報や、特定の行動特性があるかなどを把握します。

  • ロイヤルカスタマー分析

自社にとってのロイヤルカスタマーを分析し、特定の行動特性や購買傾向があるかなどを把握します。

  • 施策検証分析

特定のマーケティングコミュニケーション施策に反応したユーザーの属性や行動特性を把握します。

  • チャネル分析

特定の商品を店舗で購入するユーザーとECで購入するユーザーの違いを把握します。

抽出例

  • 購入検討者抽出

特定の商品のウェブページに複数回閲覧しているユーザーを抽出。商品のレコメンデーションに利用します。

  • 特定商品購入者抽出

特定の商品を購入したユーザーを抽出。関連する商品のレコメンデーションに利用します。

  • ロイヤルカスタマー抽出

自社にとってのロイヤルカスタマーを抽出し、特定の上顧客向けのキャンペーンの案内に利用します。

  • 離反しそうな顧客抽出

自社のサービスを解約しそうなカスタマーを抽出。解約防止策の案内に利用します。

このような形で分析・抽出に活用していきます。

データ連携機能

CDPの3つ目の機能はデータ連携機能です。CDPで分析した内容をBIツールで可視化したり、CDPで作ったセグメントに対してEメールを送付しようと考えた場合、CDPからデータを他のプラットフォームにアウトプットする必要が出てきます。CDPにはそれぞれ外部にデータを連携するためのコネクターと言われる仕組みが用意されていて、コネクターを活用して外部と連携します。

CDPの導入のメリットとは?

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ここからはCDP導入のメリットについて紹介します。

顧客データの一元管理による深掘り分析

まず第一に顧客データ一元管理による分析精度の向上です。

現在顧客は複数のデバイス・複数のチャネルを使って情報を収集しています。このような環境下では、顧客データを一元管理が必須。一つのタッチポイントから得られるデータだけを見ていても顧客の解像度は上がりません。タッチポイント横断で一意に顧客を捉え、より深く分析をこなうことで、顧客理解が促進され、効果的なマーケティングコミュニケーションを展開できるようになります。

趣向やタイミングに合わせた施策の実行による効率向上

第二に、顧客ひとりひとりの趣向やタイミングに合わせた施策実行による、マーケティング施策の効率向上が挙げられます。

情報が氾濫している世の中で、顧客は自分に関係する情報と判断したもの以外反応しなくなりました。そのため、企業は顧客に対してよりパーソナライズした情報提供をしなければ選ばれなくなりました。CDPではユーザーセグメントを抽出できる機能があり、顧客分析と併せてセグメント抽出を行うことで、適切なタイミングで適切なユーザーにコミュニケーションを取ることが可能になります。

これらのアプローチは反応が良いだけでなく、ユーザーから嫌われにくいので、メール配信停止リスクが減り、顧客と長く付き合う環境づくりにも貢献します。

CDPとMAの違い

CDPと並び昨今話題になるのがMA(マーケティングオートメーション)です。

CDPとMAはツールの役割が異なります。

CDPは顧客のデータを収集し、顧客識別子(ID)を軸にデータを一元管理するプラットフォームで主に分析や抽出に活用されます。そして、CDPにはメールやアプリのプッシュ、LINEなどを送付する機能はありません。顧客にメール施策でアプローチしようとすると、その他のプラットフォーム・システムと連携する必要があります。その一つがMA(マーケティングオートメーション)です。

MA(マーケティングオートメーション)は、特定の条件に当てはまる顧客に対して、あらかじめ設定したシナリオでコミュニケーション策を自動配信するツールです。例えば、商品Aのウェブページに2回訪問した顧客に、Eメールを配信する。配信後3日経ってもメールの開封がなければ、他の内容のEメールを配信する、というようにシナリオを組んで試作を実行します。

この際、「商品AのWebページに2回訪問した顧客」という配信対象セグメントを作るところをCDPが行い、シナリオ配信自体をMAが行うのが一般的です。このように、CDPとMAは役割が異なるもので、併用して使うことでより効果的に施策を展開できるようになります。

まとめ

今回はCDP(カスタマーデータプラットフォーム)について説明してきました。企業が注目するデータマーケティング基盤で分析およびマーケティング施策実行に向けた抽出・データ連携に活用できます。

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