インサイドセールス事例3選を紹介!実施するメリット・デメリットや導入方法を解説

2023年7月28日
「インサイドセールスを導入したいがどのような効果があるのかわからない」と悩む方もいるでしょう。他社の事例を確認すると、導入後の効果が見えてくるでしょう。

そこで今回は、インサイドセールスの成功事例を解説します。実施するメリット・デメリットや導入方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インサイドセールスとは?

まずはインサイドセールスがどのような手法なのか、詳しく把握することが大切です。インサイドセールスの概要と注目される理由を解説します。

インサイドセールスはオフィスから営業する手法

インサイドセールスとは、メール・電話・Web会議システムなどを活用してオフィスから営業する手法です。事前に情報を集めて作成した顧客リストを使って、訪問する前に遠隔地からアプローチします。

インサイドセールスでは、事前に顧客の商材に対する興味・関心をヒアリングし、温度感を確認したり高めたりするのが大きな特徴です。見込み顧客の案件は訪問営業に引き渡し、商談時の受注率を高められます。

日本でインサイドセールスが注目されている理由

インサイドセールスの発祥は、1980〜1990年代のアメリカです。大きな国土を持つアメリカでは対面営業が難しいため、非対面の営業手法が生まれました。顧客を訪問しやすい環境だった日本でも、以下をきっかけにインサイドセールスが注目されています。

・コロナ禍による非対面営業の需要が高まった

・IT化により顧客は自ら情報収集するようになったので、直接営業する必要がなくなった

・営業人材が不足しているため、効率的な営業手法が求められるようになった

企業が抱える課題や社会問題を理由に、インサイドセールスは今後も重要視されるでしょう。

インサイドセールスと他の営業手法の違いは?

インサイドセールス以外にも、フィールドセールスやテレアポといった営業手法があります。ここではインサイドセールスと、各営業手法との違いを解説します。

フィールドセールスとの違いは役割

従来の訪問営業であるフィールドセールスと自社内で営業するインサイドセールスは、役割が異なります。

インサイドセールスでは顧客のニーズを引き出したり、事前に商材の説明をして温度感を高めたりすることが重要な役割です。一方でフィールドセールスは取引先へ足を運ぶので、顧客と信頼関係を築きながら、商材の複雑な説明が可能。そのため顧客の課題を明確にし、解決方法を提案する役割があります。

フィールドセールスとインサイドセールスは役割が異なりますが、優劣はありません。お互いに連携することで、営業効率を高められます。

テレアポとの違いは電話をかける目的

インサイドセールスとテレアポはどちらもメール・電話を活用する営業手法ですが、目的が異なります。

テレアポは、電話をかけてアポイントを取得し、商談の数を増やすことが目的です。インサイドセールスは商談の量よりも、商談の質を高めるために電話をかけます。電話を通じて、顧客へヒアリングしたり信頼関係を構築したりして、受注へとつなげることが主な目的です。

またテレアポと異なり、インサイドセールスではチャット・DM・Web会議システムも使用されます。

インサイドセールスの成功事例を解説!

次に、インサイドセールスの効果を知るためにも、他社の成功事例を確認しましょう。

①商談化の効率アップ

とある企業では、展示会で出会った見込み客を商談化する営業活動が不十分という課題を抱えていました。

そこでインサイドセールスのツールを導入してみたところ、マーケティング部門から営業部門に引き渡す案件の約10%を自動で獲得できるようになった事例があります。さらに営業活動全体が見えるようになり、営業活動の属人化や対応漏れを防げるようになりました。

②有効商談数が3倍に増加

とあるセキュリティ企業では、導入まで時間がかかってしまうことから確度の低い顧客にうまくアプローチできない課題を抱えていました。

そこで有効な商談を増やすために、セグメント別にインサイドセールスを実施。有効商談化しやすい顧客を特定し、顧客を見極めてアプローチしたところ有効商談数が3倍に増加しました。

③顧客との密なコミュニケーションを達成

とある企業では、顧客とのコミュニケーション量に不十分さを感じていました。

そこでインサイドセールスを導入したことで、顧客と密にコミュニケーションを取れるようになり、解約率を抑えられるように。またインサイドセールスはフィールドセールスよりも多くの商談を経験できるため、従来よりも新入社員の成長スピードが上がりました。

インサイドセールスを実施するメリットとは?

インサイドセールスを実施するメリットについて、解説します。デメリットと併せて確認し、導入を判断する参考にしてください。

営業コストを削減できる

インサイドセールスでは事前に見込み客を抽出できるため、受注につながらない顧客に対する営業コストを削減できます。見込みがあるかわからない顧客に対して訪問しても、交通費や訪問時間を消費するだけになってしまうことも珍しくありません。

インサイドセールスを実施すると、見込み客の温度感がわかるため確度が高い顧客を優先して訪問できます。営業の無駄を省き、顧客の温度感に合わせた提案につなげられるのはインサイドセールスの大きなメリットです。

少人数でも商談化率や受注率をアップできる

少人数でも商談化率や受注率を高められるのは、インサイドセールスならではのメリットです。フィールドセールスではアポ取り・訪問・商談・アフターフォローまで1人で行わなければならないので、時間がかかってしまい、少人数では多くの案件を回せません。

しかしインサイドセールスなら社内でほとんどの業務を進められるので、少人数でも多くの顧客を対応できます。角度の高い顧客に絞ってアプローチできるため、人手不足の企業でも商談化率や受注率アップを期待できます。

担当者を問わず営業の質を安定させられる

インサイドセールスなら、担当者が離職・異動してしまっても営業の質を安定させられます。フィールドセールスではすべてのプロセスを1人で担うため、コミュニケーションやアプローチ方法が担当者のスキル・経験に依存しやすい状況です。担当者が離れてしまうと、契約を継続できなくなるリスクがあります。

インサイドセールスでは顧客の情報をツールで共有し、業務を標準化するのが一般的です。チームで戦略的に営業できるので、担当者が離職・異動した場合でも安定的に営業できます。

場所や時間にとらわれず営業できる

場所や時間にとらわれず営業できるのは、インサイドセールスならではの魅力です。フィールドセールスでは、取引先の会社に行かなければ営業できません。そのため育児・介護などで現場を離れた人材は、場所や時間の制約がなくなるまで復帰するのは難しい状況でした。

インサイドセールスでは、メール・電話・Web会議システムなどを利用できる場所であれば、社内でなくても営業できます。そのため場所や時間が制限されてしまう育児・介護中の人でも、テレワークによりプライベートと仕事の両立が可能です。

インサイドセールスを実施するデメリットはある?

次に、インサイドセールスを実施するデメリットについて解説します。インサイドセールスを導入する際は、デメリットも把握しておきましょう。

商材や業界によっては相性が悪い

インサイドセールスは、商材によって向き不向きがあります。たとえば、BtoBでは「信頼できる人から購入したい」「現物を見てから購入を判断したい」と考える顧客も多く、インサイドセールスよりフィールドセールスの方が相性がよいでしょう。

また対面営業が根付いている業界では、インサイドセールスでは話を聞いてもらえない可能性もあります。商材や業界、顧客のターゲット層によって、インサイドセールスとフィールドセールスを使い分けることが必要です。

ツールを用意する必要がある

インサイドセールスでは、見込み客の管理・情報共有のためにツールなどを用意しなければなりません。フィールドセールスでは1人が見込み客を管理していればよかったのですが、インサイドセールスではチームで情報を管理することが必要です。

たとえばオンライン商談システムや、マーケティングを可視化するMA(マーケティングオートメーション)ツールなどが求められます。ツール導入時には費用が発生するうえに、従業員がツールの使用に慣れるまでの時間的コストもかかる点に注意しましょう。

フィールドセールスと連携しなければならない

インサイドセールスを実施する際は、フィールドセールスとしっかり連携しなければならない点がデメリットです。うまく連携できていない場合、フィールドセールスが顧客に合わない提案をしてしまい、部署間の信頼関係が失われてしまうリスクがあります。

インサイドセールスの導入時には、フィールドセールスと営業内容をすり合わせたり、訪問後の顧客のリアクションを共有したりして、情報を周知することが重要です。ツールにただ頼るだけでなく、意識的に情報共有をする必要があります。

インサイドセールスを導入する流れを3ステップで紹介

インサイドセールスを導入する流れやポイントについて、3ステップで紹介します。

導入する目的を明確にする

まずは、インサイドセールスを導入する目的を明確にしましょう。企業によって、向いているインサイドセールスの方法は異なります。インサイドセールスのパターンには、以下の4つが挙げられます。

・メールや電話で新規顧客を発掘する

・興味を持っている顧客を受注につなげるためにフォローする

・購入を検討している顧客を成約につなげる

・フィールドセールスと連携をとり、営業活動の役割を分担する

自社の商材や組織構造を分析し導入する目的を明確にすることで、自社に合ったインサイドセールスを把握できるでしょう。

組織体系を考える

導入する目的が明確になったら、組織体系を考える必要があります。顧客層・商材・課題を考慮し、インサイドセールスとフィールドセールスを独立するか連携するかを考えるとよいでしょう。

またインサイドセールスの部門を新たに立ち上げるか、営業やマーケティングの部門の下に部署を置くかも検討してください。

導入する方法を選択する

組織体系が決まれば、内製・外注のどちらかでインサイドセールスを導入します。ノウハウの有無や予算をもとに、以下の3つの方法から選択してください。

内製・自社の状況に合わせて内製・Excelやスプレッドシートを活用し、情報共有シートを作成・社内に経験者がいる企業におすすめの方法
外部委託・専門家に外部委託・プロがメール・電話・Web会議システムを用いて顧客と関係を構築し、見込み客を企業のフィールドセールスに引き継ぐ・初期費用や維持費がかかる
ツールを活用・顧客情報を管理できるツールを活用・ツールに慣れれば効率的に業務を回せる・昨今は安価に導入できるケースが増えている

インサイドセールスを成功させるコツは?

インサイドセールスを成功させるためには、業務の効率化が重要です。インサイドセールスを成功させるコツについて、解説します。

顧客に合わせてヒアリングを定型文化する

顧客に合わせてヒアリングを定型文にすることで、インサイドセールスの成功につながります。ヒアリングを定型文化することで、担当者のスキルに関わらず、顧客のニーズや情報を網羅できます。初心者でも十分に営業できるため、人材のレベルアップにもつながります。

ヒアリングを定型文化する際は、フィールドセールスが必要としている情報が何か、確認しておきましょう。

ツールを活用して業務を効率化する

インサイドセールスを成功させるためには、ツールを活用して業務を効率化しましょう。たとえば以下のようなツールを活用すると、営業効率を高められます。

・商談システム:資料や画面を共有しつつ、お互い顔を見ながらオンライン上で商談できる

・MAツール:顧客情報の管理や、温度感に合わせた適切なマーケティング施策が自動化できる

・SFA(セールス・フォース・オートメーション)ツール:営業担当者の行動・成約率など営業活動を管理・分析できる

・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ツール:顧客の情報・購入履歴・問い合わせ履歴などの管理や分析ができる

自社に合うツールの活用や複数のツールを連携させると、業務効率化に役立つでしょう。

まとめ

インサイドセールスは、メール・電話・Web会議システムなどを活用して遠隔地から営業する手法です。従来の訪問営業であるフィールドセールスと連携することで、確度の高い顧客を抽出できるため、商談化率・受注化率アップや営業コストの削減などの効果が得られます。

商材や業界によっては、成功事例のようにインサイドセールスで大きな利益につながるでしょう。しかし車や不動産のように、インサイドセールスと相性が悪い商材もあります。本記事を参考に、自社でもインサイドセールスを導入できるか検討してください。

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