インサイドセールスとは何か?導入前にチェックしておきたい5つのポイント

2021年3月9日
経営者や営業部門のマネージャーの方で、営業活動に課題を感じ、インサイドセールスの導入を検討していないでしょうか。インサイドセールスはアメリカ発の営業スタイル(考え方)ですが、2021年現在においては、日本でも「Inside Sales Conference」が催されているなど注目度が増しています。

そこで本記事では、注目されている営業スタイル「インサイドセールス」の導入を考えている方に向けて次のポイントを解説します。

インサイドセールスとは何か(概要)

インサイドセールスの概要を解説していきます。

電話やメールなどオンラインでコンタクトを取る営業スタイル(内勤型)

インサイドセールスとは、電話やメールなどの手段を用いて見込み客とオンラインでコンタクト(接点)を取る営業スタイルです。従来の訪問営業主体の営業スタイルを外勤営業(フィールドセールス)と呼び、それに対してインサイドセールスは内勤型営業とも呼ばれます。

見込み客と継続的な接点を持ちホットな見込み客を育成する

フィールドセールスが商談や成約(クロージング)に徹することに重点を置いているのに対し、インサイドセールスは以下2点の重要な役割を担います。

<インサイドセールスの役割・意義>

  • 見込み客と継続的な接点(コンタクト)を持ち、長期的な信頼関係を築く役割
  • そのなかで商談に持ち込める水準のホットな見込み客を育成し、営業部門に送客する役割(SQL※1の創出)
    ※1:SQLとは、商談に持ち込める水準(営業活動に相当する)の見込み客を指します。

営業活動の効率化を図れる(アプローチ数 見込み確度)

ここまで紹介してきたように、インサイドセールスは見込み客と実際に対面をせず、非対面でコンタクトを取ります。また、継続的な接点を維持しながら「見込み客の受注確度を上げて営業部門に送客する」ことがインサイドセールス部門の役割なのです。

このようなインサイドセールスの役割・特徴から生じるメリットを、一部まとめると次のようになります。

<インサイドセールスのメリット>

  • インサイドセールス担当者1人がアプローチできる見込み客の数が多くなります。(大量リードに対応可能)
  • 営業担当者(フィールドセールス)の移動や資料作成の時間を短縮できます。

つまり、インサイドセールスを導入することにより営業活動の効率化を図れるのです。

インサイドセールスはなぜ必要であり重要なのか?

近年において、インサイドセールスの必要性・重要性は高まり続けています。その理由について解説していきます。

見込み客獲得から成約までのリードタイム(検討期間)が長期化

現在では、企業が見込み客を獲得し、その見込み客を成約に導くまでのリードタイムが長期化していると言われています。つまり、顧客からすれば興味を持って自社のホワイトペーパーをダウンロードしたが、その後の検討期間が長く、成約までに時間がかかっているのです。その間にまったく接触がない企業と、適時に情報提供をしてくれる企業とではどちらの商品を購入したいと考えるでしょうか。

もちろん、選ばれやすいのはインサイドセールスが機能している後者のはずです。インサイドセールスでうまく顧客とコミュニケーションを取り続けなければ、いわゆるコンペ負け(見込み客が競合他社に流れてしまう)につながってしまうことが考えられるのです。

人材不足により効率的な営業活動が求められている

マクロ環境(人口統計的環境・社会環境・経済環境など)に目を向けると、現在の日本では少子高齢化が進んでいます。当然、少子高齢化が進むと若手人材が不足し新卒の人材獲得競争は激化します。そうすると、企業にとっては限られた営業リソースをもとに最大限の成果を出さなければなりません。

つまり営業活動の効率化が求められているのです。

インサイドセールスでは、前述したように担当者1人がアプローチできる見込み客の数が多いうえに、フィールドセールス担当者の負担も減らせます。そのため、今後ますますインサイドセールスの必要性・重要性は増し続けることでしょう。

感染症対策などにより訪問営業をしにくい環境にある

社会環境に目を向ければ、「withコロナ」や「アフターコロナ」という言葉もあります。新型コロナウイルス感染症の影響は企業の営業活動にも及んでおり、実際に対面を要する訪問営業はやりにくくなっているのではないでしょうか。そこで、少なくない企業が活路を見出しているのがインサイドセールスなのです。

インサイドセールスであれば担当者がリモートワークでも対応可能で、場合によってはクロージング(受注・成約)まで対応できます。実地で開催されていたセミナーもオンラインセミナー(ウェビナー)に台頭してきていますし、営業活動においてはオンライン商談ができる環境を整えている企業も少なくありません。

さらに追い風となっているのが「ZOOM」などWEB会議ツールの普及です。このように、非対面でマーケティング/営業活動がワンストップで実施できる環境を整える1つの要素として、インサイドセールスは重要な位置付けにあります。

インサイドセールスを成功に導く5つのチェックポイント

インサイドセールスの概要と必要性・重要性について解説してきました。しかし、どの企業でも導入するだけで成功するというわけではありません。そこで、インサイドセールスを成功に導く5つのチェックポイントを紹介します。

チェック1:見込み客の数を確保できているか

まず確認したいのが、インサイドセールスを導入する価値があるかどうかです。

担当者数や商材にもよりますが、見込み客リストが50人ほどでであれば、インサイドセールス導入のメリットは薄いと言わざるを得ません。50人ほどであれば、従来の営業スタイルだけでも対応できる可能性があるからです。

チェック2:アプローチする見込み客に優先順位をつけているか

インサイドセールスを導入したら、アプローチする見込み客に優先順位をつけましょう。マーケティング用語では「リードクオリフィケーション」と呼ばれるものです。リードクオリフィケーションとは、「見込み客の選別」を意味しています。

もちろんインサイドセールスで見込み客の受注確度を高め、一定の基準に達したら営業へ送客するという選別も重要です。しかし、大量の見込み客リストに手当たり次第アプローチするのは非効率的です。例えば、これまでのデータから受注につながりやすい属性の見込み客を選別してからアプローチすると良いでしょう。

チェック3:自社の顧客ステージが明確か

自社の顧客ステージを明確にしなければ、前述の選別における定義が明確になりません。具体的には、「認知を得ていない顕在客から、自社商品のファンになるまでの顧客ステージ」を定義するべきです。

インサイドセールスに限って言えば、「どのような行動をしたお客様がSQLというステージに進み、フィールドセールスに送客するのか」を明確にしましょう。参考程度ですが、顧客ステージを簡単に表すと次のようになります。

■顧客ステージの例

消費者自社商品を認知していない
潜在客自社商品を認知しているがニーズが明確になっていない
見込み客ニーズが明確になっており情報収集をしている
新規客自社商品を初回利用・契約している
既存顧客自社商品を複数回利用・契約している
ファン客自社商品を積極的に拡散してくれる

実際にはこのような基本的な流れを細分化するなど自社に最適化したうえで、「具体的にどのような行動をしたお客様が次のステージに進むのか」といった定義を明確にします。

チェック4:見込み客の情報を営業部門と共有できているか

せっかくインサイドセールスで見込み客の受注確度を向上しても、その見込み客の情報が営業部門(フィールドセールス)と共有できていなければ営業活動は効率化できません。つまり実際に対面営業を行うフィールドセールスが、これまでインサイドセールスが行ってきたコンタクトの内容がわからない事態は避けるべきなのです。

そこでインサイドセールスとフィールドセールスの情報共有の課題を解決するのが「ITツール」の利用です。具体的には次のようなITツールを利用し、外出先でもデータを参照できるクラウド型であることが望まれます。

■ITツール

CRM
(顧客関係管理システム)
顧客関係情報の一元管理ができる
MA
(マーケティング・オートメーション)
WEBサイトの閲覧・購入履歴などのログを解析を行える
SFA
(営業支援システム)
タスク管理やワークフロー機能、分析機能など、営業効率化を図る

チェック5:指標(KGI・KPI)を設定し振り返れているか

マーケティング/営業活動に限ったことではありませんが、目標となる数値指標を設定し、PDCAを回すことが重要です。いくら良い戦略・戦術を組んでも、それがすべてうまくいくとは限らないからです。

具体的には、受注額などの目標(KGI)とそれを達成するために必要な中間目標(KPI)を設定し、一定期間ごとに振り返りましょう。

インサイドセールス導入のメリット

インサイドセールスの導入・活用によって、従来の営業活動から効率を向上できた事例を一部簡単に紹介します。

  • 1日あたりせいぜい5件しか商談ができなかったが、インサイドセールスの導入によって15件ほどの商談が可能になった
  • 年間12万件ほどの訪問を行っていたが、インサイドセールスの導入により移動時間を6,500時間ほど削減できた
  • インサイドセールスによるオンライン商談に切り替えて商談数が2.5倍になった。そのうえ、対面とオンラインでの商談の受注率は大きく変わらない

まとめ

インサイドセールスを活用して効率的に受注を増やす

近年でこそインサイドセールスを導入する企業は増えていますが、今後もさらにインサイドセールスの需要は増加していくものと考えられます。DX※2(デジタル・トランスフォーメーション)の流れもあり、導入に待ったなしといった企業もあることでしょう。

ぜひ本記事で紹介した「5つのチェックポイント」を意識していただき、インサイドセールスを活用して効率的に受注を増やしてください。

※2:データとデジタル技術を活用して、ニーズをもとに製品やサービス・ビジネスモデルを変革することを指します。

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