インサイドセールスの役割とは?特徴・メリットについて解説!

2023年8月9日
非対面型の営業であるインサイドセールスへ注目が集まっています。新しい営業手法として近年注目が高まっていたところ、新型コロナウイルスの影響でオンライン化が加速し、顧客の購買行動が変化したことが後押しとなり導入に取り組んだ企業も多くあります。

インサイドセールスは、Web会議を繋いだりオンラインの商談ツールを利用したりすることで遠隔での営業が可能になるため、リモートワーク下の新しい営業手法として注目を浴びています。

コロナ禍により、リモートワークの導入が進んでいる昨今では、今後も重要度は増していくと考えられます。

この記事では、リモートワークと相性の良いインサイドセールスの役割について解説し、特徴やメリットなどについても説明していきます。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、メールやチャット、オンライン会議などを活用して、見込み顧客と直接会わずに商談を行い、案件化した見込み顧客をフィールドセールスへ引き継ぐ役割を担う、非対面の営業手法です。インサイドセールスを導入している企業では、英語の頭文字を取って「IS」と略称で呼ばれます。

見込み顧客へのヒアリングによって、気づいていなかった問題を明確にし、顧客を育てていくリードナーチャリングを行います。そのため、インサイドセールスでは関係性を深めていくことが大切になっていきます。

インサイドセールスにはっきりとした定義はありませんが、会社によって業務内容や位置づけが異なる場合があります。商談につなげる橋渡しとしての役割を果たす場合が多いですが、商品購入や受注契約といったクロージングまで行う場合もあります。

インサイドセールスの役割

見込み顧客の優先順位をつける

インサイドセールスの役割は、見込み顧客との関係性を深めていき、商談の機会をつくることです。

マーケティング部門が獲得した見込み顧客の中から、購買の期待値が高い顧客をターゲットにします。そうしたアプローチをかける優先順位づけを行うことも、インサイドセールスの大切な役割の一つです。従来の営業活動では担当範囲が広く、見込み顧客の優先順位づけを行うことに手が回らないことがありました。

そのため、購買の期待値が低い顧客に対しても、時間をかけて直接訪問を行うケースがありました。

インサイドセールスを導入したことにより、優先順位づけを行う余裕ができ、営業活動の効率化が進みます。訪問営業を行った場合も、受注率の向上が期待できるため、非常に効率的な営業手法といえるでしょう。

コミュニケーションをとり関係性を深める

電話やチャット、オンライン会議ツールなどを利用して、見込み顧客と間接的なコミュニケーションをとり、見込み客の情報収集を行います。疑問・質問に電話やチャットを通じて答えるなど、さまざまなアクションをかけて購買意欲が上がったタイミングを見逃さないことが大切です。アポを獲得することができた場合、商談から受注までをフィールドセールスに引き継ぎます。

また、リモートワークの普及から訪問営業を行う企業が減り、インサイドセールスが顧客フォローから商談成立まで、全ての業務を担当する「完結型インサイドセールス」を導入した企業が増えています。

営業担当者へ見込み顧客を連携する

直接訪問を行うフィールドセールスに適切なタイミングで顧客対応を引き継ぎ、クロージング業務をお任せすることもインサイドセールスの役割です。顧客の購買意欲が高まったタイミングで、フィールドセールスが商談を行えば、受注率が向上します。フィールドセールスにとっても、効率よく訪問営業が行えるため、より担当業務に集中できるようになります。

インサイドセールスは継続的なアプローチが可能で、期待度の低い見込み客に対しても丁寧にフォローできる点が強みです。また、アプローチできる顧客の数がフィールドセールスより多く、カスタマーサクセスと連携してフォロー体制を整えることで、顧客の満足度が上がり、新たな受注につながります。

インサイドセールスとフィールドセールスの違い

インサイドセールスとフィールドセールス双方の違いは、コミュニケーションの深さにあります。

フィールドセールスとは、見込み客のもとへ直接訪問し、対面での商談を通じてサービスや商品の提案、受注を進める営業手法です。社外での業務が主になることから、外勤営業と称されます。従来から行われているこの営業方法は、一人の営業パーソンがアポイント獲得から提案、案件化、クロージングまで全ての業務を行うケースが大半でした。

しかし、昨今の中小企業では人手不足が深刻化し、ITの進化やインターネットの普及によって顧客の購買行動が変化したことで、オンライン商談ツールやWebコンテンツを使って営業を行うインサイドセールスを取り入れる企業が増えていきました。

インサイドセールスは、見込み顧客に対して継続的なアプローチが可能で、顧客へヒアリングしながら、課題を顕在化することができ、営業活動の効率化が進みます。

ですが、ノウハウが不足していれば成功することが難しいので注意が必要です。

インサイドセールスの種類

SDR

SDR(Sales Development Representative)は、反響型営業のことで、マーケティング部門から引き継いだ見込み顧客を育成していく営業手法です。

SNSやWEBサイトで情報発信を行ったり、資料請求や問い合わせ対応をする役割があります。

そういった役割を行い、顧客の購買意欲を高めたうえでフィールドセールスに引き継ぎを行います。

また、顧客が何らかのアクションをしてからすぐに行動できるように、レスポンスのスピードを意識して業務を行うことが求められます。

BDR

BDR(Business Development Representative)は、新規開拓型営業のことで、顧客がアクションをしてから対応するSDRとは異なり、新規顧客を自らアプローチして獲得を目指していく営業手法です。企業の番号やメール等の事前把握や、アプローチの戦略立てなど、積極的かつ地道な労力が必要になります。

しかし、中小企業に対してアプローチをする場合、解約率の高さや開拓の限界といった問題があるため、労力に見合った大きな成果が見込めるエンタープライズ企業のみに行うほうが、収益を安定して効率よく得られるでしょう。

どちらの営業手法であっても、顧客と関わる最初の機会となるため、ここで企業の印象が決まるといっても過言ではありません。

インサイドセールス導入で得られるメリット

商談数を増やせる

インサイドセールスのメリットとして、1日あたりの商談数を増やせる点があります。

フィールドセールスでは、顧客の元へ直接訪問する必要があるため、多くて1日あたり5件ほどの商談が限界です。しかし、インサイドセールスは顧客へ訪問する必要がなく、移動時間は必要ありません。そのため、1件の商談に1時間必要だと仮定しても、8時間の業務時間内に最大で8件の商談が行えることが理論上は可能です。

また、時間を有効活用しやすくなり、フィールドセールスでは対応しきれていなかった顧客のフォローができるようになります。

少人数でも営業活動を効率的に行える

昔からの営業手段である訪問営業は、多くの人員を必要としていました。しかし、インサイドセールスを導入することで時間を有効活用しながら、マーケティング部門と連携してリードの育成が可能になりました。

そのため、少人数での営業活動でも、訪問営業の担当者は受注につながりそうなリードを絞って訪問することができます。

営業履歴や顧客情報をしっかり管理できる

「営業履歴が確認できないため、過去にリードとどういったやり取りをしたのか分からない」といったことが営業活動の中で起こってしまう場合があります。

インサイドセールスは、マーケティング部門とフィールドセールス部門の橋渡しをするために各種ツールを用いてログを残すので、顧客情報や顧客とのやりとりを後から確認することができます。

そのため、担当者がアプローチする場合でもコミュニケーションロスを防ぐことが可能です。

インサイドセールス導入のデメリット

人員の確保や組織運営に力を入れる必要がある

インサイドセールスの恩恵を受けるにあたって、部署を立ち上げる必要があります。それに伴ってマニュアルの整備や人材採用などを進めることが必要です。

商談から先をフィールドセールスにバトンタッチするにあたり、

情報の共有はもちろん、商談を組むべき顧客かどうかの事前ヒアリングも重要です。

せっかく商談設定をしても条件が合わなかったり、時期尚早だったりなどが無いよう、

ヒアリングすべき情報の目線をフィールドセールスとしっかり合わせておく必要があります。

また、多数の顧客の状況を複数のメンバーで共有しながら顧客の状況に合わせた対応をしていくためには、営業支援ツールの整備が必要になることが多く、設備投資や人員の確保が必要です。

KPI設定を正しく行う必要がある

KPIは「重要業績評価指標」という意味の言葉で、受注の獲得数などのKGI(重要目標達成指標)に向けて設定される「中間の目標設定」のことを指します。KPIをクリアしていき、最後にKGIを達成するイメージです。

KPIが適切に設定されていないままだと、無駄にアポイントを入れてしまったり、非効率な施策を行ってしまいます。

結果的に、インサイドセールス部門がコスト面で営業活動に負担をかけてしまうことが考えられます。このような事態を避けるためにも、KPIを設定して、目標達成を目指していくことが重要です。

インサイドセールスを導入している企業

ITやSaaSを扱う企業

インサイドセールスが、SaaS商材やITが持っている特性と相性が良いため、SaaSやITを扱う企業で導入される傾向があります。

SaaS商材やITは、購買に至るまでにサービスの性質上、時間がかかる場合があります。

しかし、インサイドセールスは、顧客と時間をかけて関係構築ができるため、顧客の購買意欲を高めながら受注確度を上げることができます。

さらに、失注顧客を掘り起こしたり、他部門へのフィードバックや顧客情報の管理に注力できるようになり、営業力の向上につながります。

今後のインサイドセールス動向

HubSpotの「日本の営業に関する調査」によると、インサイドセールスを導入している企業は15%未満となっています。欧米では既にインサイドセールスは営業活動の多くを占めているのに対して、日本は、従来からの訪問営業である「顔を見せて訪問すること」という営業手段が業界によっては「常識」として残っている部分も多く、日本の営業担当者の問題意識が浅く、遅れをとっています。

しかし、インサイドセールスの普及率が年々上がってきていることから、企業の競争力が高まっています。これから徐々にインサイドセールスとフィールドセールスの分業体制が浸透していくと考えられます。

まとめ

商品購入に至るまでのプロセスや、情報収集の方法が変化している現在では、対面での商談をメインとする営業スタイルは見直されつつあります。

インサイドセールスの導入は営業の無駄をなくし、効率の改善に繋げることができます。

簡単に導入することができるツールも多数あるので検討してみましょう。

インサイドセールスを導入している企業は年々増加しており、現状はまだ無駄の多い従来型営業活動ですが、インサイドセールスを利用し日本企業が競争力を高められれば幸いです。

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